思い出の向こう側

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ZARD "What a beautiful memory ~軌跡~"

2/4、ZARDのライブ"What a beautiful memory ~軌跡~"を見に大阪国際会議場に行ってきました。

 

ZARDのライブを生で見るのは初めて。とはいっても坂井泉水さんはもういないから、ライブと言っていいのかはよくわからない。まあでもバンド演奏は生だし、ゲストやコーラスの歌声も当然生なのでライブなのかな。

どんなライブになるのだろうか。それこそ去年見た高台寺でのライブと同様に、喪を感じるのだろうか。

正直に言えば、近年のZARDをめぐる動きには少し複雑な気持ちがある。ZARDの曲を埋もれないようにしてくれているのは嬉しかったりする一方で、故人で商売を続けるのはどうなんだろう?って思ってしまう。もうそろそろ坂井さんを解放してあげてもいいんじゃないか、なんてね。

だから今回のライブも申し込むか少し迷った。だけど結局申し込んじゃった。やっぱりZARD好きなんだもん。

 

 

そして当日。仕事を1時間早く切り上げて会場へ向かった。開演が18:30で、18:00くらいに着いたのかな?大阪国際会議場グランキューブ大阪)はワクチン接種でお世話になった会場だったので半年ぶり。なんか懐かしかった。

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会場内(特に物販)は激混みで、ソーシャルディスタンスのソの字もない。このご時世なので流石に怖いな、なんて思っていた。物販では迷った挙句Tシャツとクリアファイルを買った。

席は二階席だった。最近行っていたライブでは前後左右一席あけるような感じの配置が多かったけれど、今回はぎっしりだった。すごい。

 


 

「きっと忘れない」からライブがスタートした。

すごく不思議な光景だった。ステージ上ではバンドメンバーが一般的なライブと同様に演奏している。コーラスの人も普通にいる。

なのに真ん中には誰もいない。スポットライトが当たっているその場所には、ただスタンドマイクが一本立っているだけ。一番いなくてはならない人がそこにはいない。けれど歌声は響く。スクリーンには歌う姿。何年前の映像だろうか。きっと20年くらい前のはずだ。私たちはもうその姿しか知り得ないんだ。時計が止まっているような気もするし、それでいてそこにいないという事実が逆に時を感じさせるようでもあった。

 

何だか不思議な感情に包まれながら、「もう少しあと少し...」「雨に濡れて」「世界はきっと未来の中」と続く。好きな曲が聴けて嬉しい。

この辺りからは時折、マイクの前に立つ坂井さんを(スクリーンの姿を投影して)想像しながら、あたかもそこで歌っているかのように思ってライブを見たりしていた。本当にそこにいるような気がして、でもいないことを再確認して胸が苦しくなったりした。

 

ここからはゲストコーナーということで、ZARDに縁のあるアーティストの方が来て、縁の曲を一緒に演奏する時間になった。ただゲストがどの曲で登場したかとかがあやふやなので、覚えている範囲で書きます。

 

君に逢いたくなったら…」では葉山たけしさんが登場していた。この曲はとても好き。

 

「突然」「DAN DAN 心魅かれてく」ではFIELD OF VIEWの浅岡さんが登場した。FIELD OF VIEWも結構好きだったし、そもそもこの二曲はとても好きなので嬉しかった。浅岡さんの声は流石に少し昔の声とは変わっていた。それが本来は普通なんだろう。今聴いている坂井さんの歌声があの日から変わっていないことの異常さというか、もう坂井さんに「今」はないんだな、ということを改めて突きつけられた感じがした。

FIELD OF VIEWへの提供曲では「Last Good-bye」がとても好きなのでこの曲も見たかったな。

 

「かけがえのないもの」で大野愛果さんが登場。この人歌える人だったんだっていうことを知らなかったのでちょっとびっくりした。

 

「瞳閉じて」「遠い星を数えて」「永遠」と続く。いいですね。個人的には「永遠」→「遠い星を数えて」の曲順に馴染みがあった(アルバム「ZARD BLEND Ⅱ 〜LEAF & SNOW〜」)のでへーと思った。

 

瞳そらさないで」「翼を広げて」ではDEENの池森さんが登場した。最近聴いていなかったからか、「翼を広げて」のイントロで「Teenage dream」かと勘違いしてしまった。まあどちらにせよ好きなのでいいんですけどね。

 

「こんなにそばにいるのに」に続いて、「My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~」。

この曲では事前に配られていたサイリウムを点灯することになっていたのだけれど、私はもらってすぐ鞄にしまってしまっていて、そのお願いの紙を読んでいなかった。なので曲が始まってから気づいた。むむむ。たまにこういうことをやらかす。

 

そして「あの微笑みを忘れないで」。最高ですね。ちょっと泣いちゃった。

ここで川島だりあさんが登場していたのだけれど、ここまでのゲストと違いステージ上でめちゃくちゃ激しく踊っているのでびっくりした。

Good-bye My Loneliness」はもう原点。いい、いい……。ここで大黒摩季さんが登場していた。

 

「愛は暗闇の中で」。

川島だりあさんと大黒摩季さんがステージに参加していて、2人とも割と激しく歌うし踊る。原曲から2人の存在感が強い(逆に言えばZARDの楽曲の中にあって坂井さんの歌声の存在感が薄い)曲なので、この曲だけは普通のライブを見ているような気持ちになった。そういう意味ですごくホッとした瞬間でもあった。

 

揺れる想い」。

多分この曲でだったと思うけれど、大黒摩季さんが真ん中の無人のマイクスタンドに時折目をやって、一緒に歌っているような感じになっていた。大黒さんも私と同じようにそこにいる姿を想像して歌っていたんだろうか。あの時に胸がギュッとなった。

 

ここでゲストコーナーが終わり、「If you gimme smile」。この曲聴けるのか、という嬉しさがあった。

 

「心を開いて」「Today is another day」「君がいない」「マイ フレンド」「Don't you see!」で本編が終わり。好きな曲のラッシュでとても嬉しかった。

 

そしてアンコール。

「Oh my love」はもうね、いい。いい。すごく好き。この間書いた記事のZARDプレイリストにこの曲を入れ忘れたのを後悔した。

 

「Forever you」では坂井さんの歌声の美しさに浸っていた。綺麗……。

 

そして最後はゲストも全員出てきての「負けないで」。ここまではずっと座ってライブを見てきたけれど、最後だけは立ってしまった。いい終わり方だった。

 

坂井さんの「また会いましょう」の声。会いたいよ……。

 


この間書いた記事で作ったプレイリスト

であげた21曲のうち、13曲を聴けたのですごく嬉しかった。結構いい感じだったな。特に「瞳閉じて」は完璧。ただ「遠い星を数えて」に繋げたのにはちょっと驚いたけど。

 

 

最初から最後まで、不思議な時間だった。いいライブだったけれど、やっぱりそこに坂井さんがいてほしかった。叶わないことと知っていても。

 

生きていたら今は55歳。当時の歌声では歌えていないかもしれない。幻滅してしまうのかもしれない。そういう意味では、真空パックのように当時の歌声でライブを見れていること、ずっとあの若い歌声以外を知らないでいられることは幸せなことなのかもしれない。亡くなったからこその永遠でもあるだろう。

だけど、生きていてほしかった。ただそれだけを願う。