思い出の向こう側

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ありふれた言葉

今、きのこ帝国のアルバム『猫とアレルギー』を聴いている。

 

その中の一曲、『ありふれた言葉』が心にとても刺さった。刺さったので衝動で今ここで言葉に残しておきたくなった。

歌詞を引用しておく。

 


『ありふれた言葉』(きのこ帝国、作詞作曲佐藤千亜妃

 

ありふれた言葉でいい  その一言で生きてゆける
悲しみの道の果てに  進んで、進んでゆけ

橙色した実がなるよ  誰にも教えない秘密基地

もう帰れなくなるかもな  それでも行かなくちゃ

 

ありふれた言葉でいい  その一言で歩いてゆける
たとえはなれてしまっても  同じ空を見上げてる

夢 追えば追うほど遠のいた  気がつけばピリオドの向こう側

出会いと別れの風が吹き  子供じゃいられない

 

ありふれた嘘でもいい  その優しさに涙が出そう
すべては手に入れられないけど  進んで、進んでゆこう

1234 右へ  2234 左へ  3234 いつだって迷ってばかり
1234 前へ  2234 後ろへ  3234 泣いたって止まりたくないんだ

 

ありふれた言葉だけど  その悲しみに寄り添いたい
ぼくたちは変わらないよ  同じ空を見上げてる

ありふれた言葉でいい  その一言で生きてゆける
ありふれた道でもいい  いざ 進んで、進んでゆこう


 

この曲を聴いて何を言葉に残せばいいのかわからない。

特別ではない歌詞かもしれない。よく歌われている事であるとも思う。

例えば、「たとえはなれてしまっても  同じ空を見上げてる」「出会いと別れの風が吹き  子供じゃいられない」だなんて、どこかで聴いたことがあるような歌詞だ。

でも、この曲はそういった”ありふれた”言葉たちを、そういう言葉でいいんだ、そういう言葉がいいんだって歌っているように聴こえてくる。

実際には歌の中では「ありふれた言葉」がどんな言葉を指しているかは示されていない。別にその言葉はなんだっていい。

ただ、この曲全体を包み込む「ありふれた」感じが、そしてそれを肯定する強さが私にはとても響いた。

この曲そのものが私にとっての「ありふれた言葉」だ。ありふれた言葉でいい、そういう事なんです。

 

メロディーも多分よくあるようなものかもしれない。それを狙ってこの曲を作ったんだろうな、と思って、さらに響きが増していく。曲や歌詞がありふれるからこその、響いた時の説得力。

 

私もありふれた言葉だろうが紡いでいきたいね。

 


きのこ帝国では最近『明日にはすべてが終わるとして』にハマっています。いい……。