思い出の向こう側

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タイムマシン

過去に戻れるとしたら、いつに戻りたいですかーー

 

よくある妄想だけれど、私はあまり戻りたい過去がないような気がしてしまって、いつも戻りたくない気持ちのまま終わってしまう。

まずそもそも仮定として、

・今の自分の記憶・感情・思考のまま戻る

・あの頃の自分として戻る

の2種類がある。

後者は戻ったところでもう一度人生をなぞって終わりで、「戻りたい過去」というよりも「人生でいつが楽しかったか」という話になりそうだ。

戻りたい、という時には何かしらの後悔がある事が多い気がする。「今の自分だったらこうしていたのに」とか、「なんであの時気づけなかったんだろう」「なんでもっと大事にできなかったんだろう」とか。だから仮定としては前者を取ります。

 

戻りたい過去がないと言っても、後悔のない人生を送って来たわけではない。たくさんの後悔がある。子供の頃の私は相当に未熟でひとりよがりで、ダメな人間だった。今だっていい人間になれているわけじゃないけど、あの頃を振り返ると恥ずかしくてとてもじゃないが直視できない。

 

戻るとしたらいつだろうか。考える。思い付かない。

後悔なんていくらでもあると言ったけれど、その一つ一つを思い出すことがなかなかできない。多分直視できないから、蓋をしたままにしてずっと置いてあって、開けることも難しくなってしまった。その時は後悔するけれど、しばらくしたら呑み込んでしまって振り返らないようにしているのだろう。どうせ過去は変えられないのだから悔いても仕方がないって。

傷つかないための現実的な対処法だとは思うけれど、その分夢を見られなくなっているような気もする。思いを封じ込めてしまっているとも言える。それでいいのかという問いに答えることはいつだってできずにいる。

それに、過去に戻ったとしてどうせ同じ選択をして同じ道を歩くんだろうって思ってしまってもいる。決定論的な考え方をしているのもあるけれど、過去に違う選択をすることで今の自分が崩れてしまうことが怖いのが大きいかな。

今の私は過去の私の選択の積み重ねでできている。一つでも違ったら違う自分になっているだろう。私は今の私が好きだし、今の私でいいと思っているから、その土台になっている過去を変えたくはない。後悔しているところも含めて今の私なのだから。その後悔がなかった事になった時、人間としての深みがなくなってしまうような気もする。

 

人間は後悔を積み重ねて大人になる。そう私は信じている。

 

 

(追記):こんなことを考えたその上で、いつに戻りたいかを軽率な気持ちで考えてみる事にした。まあ普通に高校かな。楽しかったし。薬学部を目指すのは変えなくていいと思うけどね。結果的に遠回りにはなったけれど、遠回りしたのは悪いことではないし。

あとは初恋の人ともっと普通に話しとけば良かったな、なんて。

それから、今はもう会えなくなってしまった人たちに最後にちゃんと会いたかったなって。