思い出の向こう側

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秋風

秋がきた。なんか既視感のある書き出しだけどまあいいや。

 

秋は風の季節だなと、やってくる度に思う。どの季節でも風は吹いているけれど、秋はその中でも特に風を感じる。

春風は暖かい陽気の方が印象的だし、夏の風は暑さを少し和らげてくれるだけだ。冬の風は冷たすぎて寒さに意識を持っていかれてしまう。

その点秋風はちょうどよく風を感じることができる。ひんやりとした、確かな風の存在感。だけどそれは不快ではなくて、気持ちよく体に響いてくる。酔いが回った時に当たる夜風の心地よさと似ていると思っている。つまりいい風が吹く季節、それが秋。

 

だからなのか、私は秋を思い浮かべるとき、胸を風が吹き抜けていく。ひゅーっという寂しげな音と共に。枯れ葉も舞っている。去来しているイメージは、もはや冬のものかもしれないけれど、でも私はそれを秋風と呼んでいる。それだけ秋は寂しい季節なんだと思っているのかもしれない。

 

そんな寂しさと、吹き抜けている風とを感じさせる曲を、私は秋に聴きたくなる。

そんな曲たちがこちら。

 

JUDY AND MARY「小さな頃から」

秋になって真っ先に思い浮かべるのがこの曲。なんでと言われてもよくわからない。秋を歌ってはいないのだけれど、これは確かに秋の曲だと思う。

「ちいさい秋みつけた」に曲調が似ているから、かもしれないなと思っている。だとしたらこういう曲調は秋なんです。秋の曲として完璧。

 

・きのこ帝国「&」

きのこ帝国の秋の曲といえば多分「金木犀の夜」になるんだけど、風を感じる曲という観点ではこっちかな。イントロの軽やかでいて物寂しげなメロディーが秋。あと歌声が合うね。

 

・SHE'S「Letter」


 この曲が秋なのかはわからないけれど、四季のどれかに当てはめるなら秋にはなると思っている。ピアノの旋律がそうさせるのかな。

 

太田裕美「九月の雨」


 9月になると聴きたくなる曲だった。が、今年は9月が暑すぎて結局聴かなかったな。

70、80年代の歌謡曲やニューミュージックあたりはこういう曲調が多いので、秋の曲も多い気がする。山口百恵の「秋桜」とか。

 

柴咲コウ「眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ」

強く訴えかけてくるのではない言葉たち。子守唄のように聴こえてくる歌は、吹き抜ける風のよう。

 

柴咲コウ「また、うまれるころには」

とても好きな曲。東日本大震災を受けて作った曲らしい。ピアノの旋律と、寄り添って祈ることしかできないような思いとが、秋。

秋風はどこか虚しさも連れてくるものなのかもしれない。

 

・Judy Collins「Someday Soon」


浜田省吾「いつかもうすぐ」はこの曲を日本語カバーしたもので、私はそこから知った。浜田省吾ver.よりもこっちの方が秋感があるかな。好き。

 

浜田省吾「悲しみの岸辺」

アルバム「初秋」に収録されているアレンジのものが、秋を感じさせて良いです。

 

ZARDさわやかな君の気持ち(single ver.)」

ZARDで秋ならこの曲だと思う。さわやかに、どこか寂しげに吹き抜ける風を湛えている。アルバムver.よりこっちの方がそこが際立っていると思う。

 

はしだのりひことシューベルツ「風」

結局この曲の持つイメージに私は引っ張られているのかもしれない。

前も書いた気がするけど、「そこにはただ風が吹いているだけ」という歌詞が私の中の風のイメージになっている。

 

以上かな。秋を歌った曲がほぼないけれど、私にとってはこれらが秋の曲です。

でもやっぱり「小さな頃から」が抜きん出ているな。