今日リリースされた羊文学の新譜「12 hugs (like butterflies)」。
配信リリースされた0時から聴いている訳ですが、これがとても良い。良いんでつい何かを書き残しておきたくなってしまった。
1. Hug.m4a
1分ほどの曲だけど、少し掠れた歌声とギターだけで強い思いが伝わってくる。アルバムの入りとしてなんかすごくいい気がした。挨拶のような、このアルバムで一番伝えたいことが詰まっているような。
2. more than words
その入りからいきなりこれなんですから、ずるいね。前にもここで書いたけど、いい意味でのざらつきが輝いている曲。羊文学の代表曲と言っていいかもしれない。力強さを感じるというか、このバンドの持つエネルギーを感じさせてくれる。すごくいいですね。毎日のように聴いている。
前も貼ったけど、また貼っておきます。是非聴いて。
3. Addiction
グルーヴがいい。キャッチーだし、ライブで盛り上がりそう。歌詞をうまく音として曲に乗せている感じがあって、すごく心地いい。あと終わり方もいい。「〜いいね」でジャーンで終わる感じ。
(追記):聴いてるうちにすごく好きな曲になった。
「どこへ行ってもここじゃない気がするから最後までひとりでいたいなんて 強がりはナンセンス かけたピース誤魔化すだけ」という歌詞は特に刺さる。
4. GO!!
これまたグルーヴがいい。このアルバム全体を通してグルーヴがすごくいいと思っているんだけど、じゃあグルーヴってなんだっていうとよくわからない。ただ体が動き出す、そういうことなんだって思っている。繰り返されるフレーズ、「戻ら 戻ら 戻らない」とか「Ding dong, ding dong」とか踊りたくなる。
「ちょっと意地悪すぎるよ」なんて歌いつつ、最後には「正解は今僕が変えてみせるから」なんてかっこいいっすね。
5. 永遠のブルー
どちらかというと以前の羊文学っぽさがあるというか、綺麗なポップという感じがある。「夕凪」に近いかな。好き。「強さなんてまだまだ、わからないけど 痛みなら少しは知ってる」というフレーズが好き。
6. countdown
疾走感に体が躍り出す。疾走感はありながら曲調は少し暗く、歌詞も少し暗いこのアンバランスさーーむしろこのバランスがというべきかもしれないがーーがいい。
7. Flower
バンドサウンドのグルーヴ感ある曲が続いた中ところで、ギター中心の落ち着いたバラード。そして最後には重厚感あるサウンドへと変わる。これも羊文学っぽさがある。
8. honestly
アルバム「若者たちへ」あたりの空気感のある曲。影のある魂の叫びのような曲で、ああこれも好きだな。
9. 深呼吸
すごく好き。なんつーかグルーヴ感がある曲で、言葉の切り方だったり音への乗せ方だったりがすごくいい。綺麗にメロディーに乗せているというよりもちょっと違和感のある乗せ方をしているんだけど、それがリズムになってグルーヴを作り出している。歌詞も良いし、言葉を音としてとても上手に扱っているなという印象。
10. 人魚
サビのあたりがえもいわれぬ良さがある。だいぶ暗い曲だと思う。前半の躍動感との対比で影がくっきりと出てくるし、逆にこの曲があるから前半の曲の輝きが増すとも言える。バランスというか、光と影両面あってこそ完成するという意味ではすごく人間らしいアルバムって感じがある。
11. つづく
グルーヴ感を取り戻した。痛みとか虚しさとかを抱えながらも、傷つきながらも人生は続くんだっていう印象の曲で、「そうしてつづくの」という最後のフレーズに至るまでの長さとかがいい味を出している。
12. FOOL
最後の曲。開き直りを感じる。「失って傷ついても続くなら壊れたって歌うから もう二度と離さないわ」で終わる訳ですからね。その上で歌詞とかどうでもよくて、「フール」だとか「ルール」だとか「ループ」だとか「クール」だとかで音で遊んでいる感じがすごく好き。
これが今の羊文学、っていうものを感じるアルバムだった。過去の羊文学らしさもありつつ、進化した今の形を見せてくれていてすごく好き。
聴き込む間もなく書いているからすごく薄い感想になってしまっている気がするが、これから聴き込む中で新たな喜びにも出会えそうだなという印象もある。いいアルバムに出会えました。
(追記):
12/25。フェスティバルホールで行われた羊文学のクリスマスライブ、「まほうがつかえる 2023」に行ってきました。当日券だったのだけれど、1階席で見れたのですごく良かった。以下その感想を。
・「Hug.m4a」から始まったのだけれど、これ良すぎますね。すごくいい。フクダさんが今回のアルバムで一番好きな曲って言ってたけど、わかるわ。
・「Addiction」、仮題は「スマホ」だったらしい。スマホ中毒を歌ってる曲って言ってたけどそこまで深く読み取れてなかったな。MCで塩塚さんが、多分どの曲についてもなんだけど、歌詞は大丈夫だけど曲のタイトルを知られるのが恥ずかしくてマスタリングまで隠し通していたと言っていて面白かった。それで仮題で呼んでいたらしい。
・「深呼吸」「more than words」の良さったらありゃしない。このために生きていたと思える時間だった。
・過去の曲の中では「マフラー」の良さが際立った。痺れるくらいいいっすねぇ……。あとは「マヨイガ」も。
・クリスマスということで「1999」が聴けたのは嬉しかったな。
・アルバムと同じく「FOOL」で本編を締める構成は納得というか、始まりの「Hug.m4a」もだったけど、ちゃんとこのアルバムを大事にしているんだなというところが伝わってきた。
・アンコールの「あいまいでいいよ」はやはり最高。
・今回のアルバムのタイトル「12 hugs (like butterflies)」は、両腕を胸でクロスして自分で自分を抱きしめるというバタフライハグから付けられたそう。自分で自分を抱きしめるような、そんな曲が12曲できましたって語っていて、ああだから私はこのアルバムが好きなんだなって納得した。
・アルバムツアーがないらしいのは残念。だからこそ今回行けて良かったな。