思い出の向こう側

好きなものや思い出について書いたりしています

わたしたちのうた

4/22。

Homecomingsのライブツアーを見に大阪は十三の246ライブハウスGABUに行ってきました。

 

Homecomingsは去年一度ライブに行っていて、とてもよかったので今年も行くことに。優しい音色の音楽に、透明感のある畳野さんの歌声が響く、優しくどこか暗さも抱える歌詞のバンド。

 

今年はデビュー10周年で、先週の4/19に新しいアルバム『New Neighbors』を出していた。そのアルバムを引っ提げてのツアーで、この大阪が初日だった。

このアルバムがまたいいんすよね。なんならライブの感想そっちのけでアルバムについて書きたいくらい。一旦書いちゃうか。

 


とりあえずこれはこのアルバムの特設サイトで、全曲作詞した福富さんのセルフライナーノーツが載っています。これを読んだ上で歌詞を読みながら音を漂わせるとより深みが増す。全体的に優しさが広がっている。

Homecomings「New Neighbors」特設サイト | Homecomings

1.ラプス  

不眠症がテーマの曲。音も歌詞も歌声も優しい。好きです。

 

2.US/アス

アルバムのリード曲。とても良いです。代表曲になるんじゃないだろうか。「これはわたしたちのうた ひとりでもふたりでもないよ」

ライブで聴いていて思ったのだけれど、この曲の歌詞は私たちに向けてのメッセージであると同時に、福富さんからメンバーへのメッセージでもあるんじゃないだろうか。なんとなくだけれど、作詞を主に担当している福富さんと作曲とボーカルを担当している畳野さんだけではなく、石田さんと福田さんもいて成り立っていることを、それがHomecomingsという「US」なんだということを歌いたかったのかな、と思った。大学卒業のタイミングでの解散話だったり、2017年頃の解散話だったりを語っているインタビューとかでなんとなくそういう空気感を受け取った。

 

どういう表現をすればいいのかはわからないけれど、ライブを見ていても、インタビュー等のメディアでの様子を見ていても、バンドメンバーがめちゃくちゃ仲良しという感じは受けない。むしろどこかよそよそしさを感じる時もあるのだけれど、その辺の不器用な距離感というか、それも含めての愛みたいなものをこの歌詞からは感じる。

ライナーノーツでも、「手をとること、連帯すること。1対1の強固なつながりではなく、誰かとつないだ手のもう片方をだれかに差し伸べるようなつながり。ひとりでもふたりでもないつながりについての曲です。」と語っていて、その空気感はバンド全体の根底にあるものなんだろうな、と思った。別に一つになる必要はなくて、時には離れることもあるけれどずっと味方でいるような、この優しい空気が好きです。

3.ヘルツ

ラプスと同様に星の歌で、どこか御伽話のような空気も漂う。明るい曲調が優しく包み込む感じで好きです。

 

4.光の庭と魚の夢

ここからの4曲は先行配信されていたシングルが続く。4曲とも共通して「花束」がモチーフになっていて、そこには優しさが込められていると思っている(ライナーノーツでは、「自分たちが少しでも世界をやさしい方向に動かそうとすること(それは表現することやことばにすること、あるいは投票にいくことだったり)がいつかの未来にバトンのようにつながっていくように、という願いを込めています。」と語られている)。穏やかさがあり、どこか夢に沈み込んでいくような曲。ピアノとストリングスにはくるりの岸田さんが参加している。

 

5.アルペジオ

好きです。それ以上の言葉がない。特にサビがいいですね。

6.i care

先行配信シングルの中では一番好き。「なにをえらんでも それでいいからね」という肯定は、バンド全体を流れる優しい空気感を表していると思う。

7.Shadow Boxer

ここまでの曲の歌詞がどこか優しい空気で包み込んでいた中で、少し暗めの歌詞の曲。Homecomingsの過去の曲たち、「HURTS」とかのような諦めとか絶望とかを湛えているような空気感がある。こういう暗さもまた魅力の一つだと思う。

 

8.Drowse

眠れない夜の曲。私もこういう夜をいくつも超えてきたので、少し鬱気味な歌詞に親近感を覚える。3時とか4時頃の焦りと絶望とかを思い出す。

 

9.ribbons

とても好きな曲。初めて聴いた時からこれが好きなんだ、となった。evergreenな空気を漂わせている音楽で、抱きしめる感じの優しさに母性を感じる。

10.まばたき

「ああ 雨の音が 痛みを撫でて」というフレーズが好き。アルバム後半に向けてどんどん暗く沈み込んでいくような空気感はとてもいいですね。

 

11.euphoria/ユーフォリア

福富さんが「僕自身が1番反映されているような気がします。」と語っている曲。

どこかへ消えてしまう、ということについての曲で、私が今までにこのブログで書いてきたようなこととリンクしている部分がある気がしている。というか福富さんはきっとどこか似た部分を持っている人なんだろうな。だから言葉が響くのかもしれない。そして福富さんは私よりも多分もっとやさしい。

 

12.Elephant

暗くなっていったアルバムの流れを引き継ぎつつ、希望のようなもの、優しさを持った曲。「まだ飛べないけど」「まだ飛べなくても まだ飛べなくても、いいよ」この締め方いいですね。アルバム全体を通して眠れない夜の曲が多い気がするので、なんだか夜のピクニックみたいだなぁと思っているのだけれど、だとしたらこの曲は夜明けの曲。

 


 

というわけでアルバムについて語り終えたので、ライブについて。といっても、もうここまでで語りすぎて息切れ気味なので、サクッと。

 

このアルバムの曲を中心に、昔の曲も織り交ぜ10周年らしいライブだった。「PAINFUL」だったり、「I CAN'T TELL YOU WHAT I'M GOIMG TO DO」(もう何年も披露してなかったらしい)のような眠っていた曲もあった。

あとやっぱり「HURTS」はね、最高なんすよ。一旦聴いてほしい。

「PAPER TOWN」からの「US/アス」という流れも良かったですね。

畳野さんの歌声がよくフィーチャーされるけど、石田さんと福田さんのコーラスの美しさも大切な要素だなと、特に最後の「Songbirds」を聴いてて思っていた。

 

全体的に楽しいライブでした。6月の京都がツアーファイナルになるんだけど、今日とは違うライブになると思いますって言ってたし今から楽しみ。個人的には「ribbons」を聴きたかったので、京都ではやってくれるといいな。

 

(追記):

6月の京都公演行ってきました。一曲目から「ribbons」で、もう言うことはなし。あと「PLAY YARD SYMPHONY」聴けて満足でした。