思い出の向こう側

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春を訪ねて③(阿蘇)

続きです。

3日目(3/27)

4時ごろに目が覚める。日の出を見に行くため、早起きするつもりで目覚ましをかけていた。が、疲れと眠気が勝ち、気づいたら8時だった。まあいいか、旅はそういうものだ。それに、今回の旅はどちらかといえば無理をせずのんびりするのがテーマだった。

しかし何もせずゴロゴロとしているのは味気ないので、散歩がてら田子山に登ることにした。

ホテルすぐそばには桜が咲いていた。綺麗。

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ホテルからは登山口まで20分ほど、そこから展望台までは20分。

広がる景色は最高で、来た甲斐があった。そらふねの桟橋という映えスポットがあり、誰かいるかなと思ったら私以外には誰もいなかった。日の出をここから見たら綺麗だったのだろうな。雲海が見られたりもするらしいので、逃した魚が少し惜しく感じられる。

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桟橋から少し歩くとカフェがあり、このロケーションで飲むコーヒーは美味いんだろうなと思う。でもまだやっていなかった。

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山の上の方でも花が咲いていて、当たり前といえば当たり前なんだろうけれど、でもなんだか意外で嬉しくなる。山の上でもちゃんと春はやってきているんだ。

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下山では登りと違う道(車の通れる道、ただし現在はタクシー専用らしい)を選んだのだけれど、前日までの雨がアスファルトの上を流れていて、もはや小さな川になっていた。当然靴の中にも染み込んでくる。参ったな、なんて思いつつ心のどこかにはウキウキとしている私がいた。こうでなくっちゃね。

下山した後も少し散歩をする。小川の流れる公園が綺麗で、ふと足を止める。小学校卒業記念植樹の札が立っていて、なんだかほっこりする。平成30年卒業の子が植えた木が並んでいて、立派に花が咲いていた。その子はちょうど今年高校卒業で、もしかしたら地元を離れるのかもしれないけれど、確かにそこにいたことが木として、故郷の美しい景色の一員として残るというのはなんだかすごく幸せというか、喜びになるような気がした。卒業記念植樹、すごくいい取り組みだと思う。飛び立った彼らがいつか帰りたくなった時に残っているといいな。

あそ・ビバという公園(ネーミングは若干滑っている気もするが、まあこれくらいでいいのかもしれない)にも桜が咲いていて、春だった。

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バスで阿蘇駅へ向かい、そこから豊肥本線で立野へ。立野直前ではスイッチバックがあり、その標高差を実感することになる。

立野で南阿蘇鉄道に乗り換える。トロッコ列車である。これに乗るために阿蘇まで来たし、これを晴れてる日に乗るために計画を立てていたのだ。
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南阿蘇鉄道熊本地震で被災し、不通が続いていたが、2023年に全線で運転を再開した。だからこそ今乗りたかった。

ロッコが走り出す。立野を出ると、すぐにクライマックスというべき第一白川橋梁に差し掛かる。

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すごい景色。流石に怖かった。スマホを持つ手が震えたが、震える方がだいぶ危ない。

そのあとはトンネルを抜け、ひたすら平原を走る。トロッコ最大の見せ場が終わったあと、ともすればやや退屈というか、だれてしまうと思うのだけれど、そこはガイドのお兄さんが飽きさせずに楽しませてくれている。ガイドの腕だけではなく、細かいお楽しみポイントを各駅に用意していたりして、会社全体あるいは地域全体を通して、なんとかして楽しんでもらおう、お客さんを引き止めようという必死さがひしひしと伝わってきて、なんだかその姿がすごく輝いて見えた。それはやはり震災があって不通になっていた時間が長かったこと、当然ながら復旧はすごく大変だっただろうこと、そして再開した今再び列車が走らなくなるようなことには絶対にできないという決意みたいなもの。色々なものを背負い、必死に頑張っている人たちの姿はかっこいいんです。

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これはその一例、犬の着ぐるみが駅で本を読んでいた。この犬は他の駅でも姿を現していた。

 

車窓には春の景色が広がっていて、風を受けてとても気持ちの良い時間でした。f:id:GoodNightAngel:20240331234832j:image
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ロッコは50分ほどで終点高森駅に着く。この後のことは何も決めていなかった。とりあえずレンタサイクルを借り(4時間で1500円、電動自転車)、Googleマップ先生の評価が高かったご飯屋さんへと向かう。阿蘇の山々と春の景色を眺めながらのサイクリングは最高で、もうこれだけで阿蘇まで来た甲斐があった。

高森田楽村というところで、赤牛の焼き肉を食べる。囲炉裏の炭火で食べるあか牛は絶品でしたね。高菜めしもだご汁も美味しくて、とても良かったです。

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食べたあとは少しフラフラと春を探す。月廻り公園からは阿蘇の山々が一望でき、とても最高なロケーションだった。なぜかヤギが飼われていた。

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高森千本桜へと向かう。まだ見頃にはもう少しらしく、上の方はまだ咲いていないとのことだったが、麓だけでも十分綺麗だった。

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高森湧水公園では湧水を汲んで水をいただいた。美味しいような気がするが、だいたい私はあまり水の味がわからない人間で、情報に踊らされているだけのような気もする。湧水公園は、高森から高千穂まで線路を繋ぐために掘っていたトンネルであり、工事中に水脈にぶち当たってしまったために工事が中止され公園として残してある、という場所。流れている水はとても綺麗だ。トンネル内はイルミネーションが施されていて、これもまた綺麗。

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自転車を飛ばして高森から一駅戻った見晴台駅に向かう。こちらは上白石萌歌さんが午後の紅茶のCMで来ていた場所で、聖地巡礼で訪れる人が結構いた。私はガイドさんの話で初めて知り、せっかくならと訪れることにした。

駅には午後の紅茶しかない自販機があった。せっかくなので一本買ってみると、中には濁りがあって、大丈夫かなと少し心配になる。多分長いことこの自販機の中にあった一本だったんだろう。でも賞味期限は切れていないし、まあ大丈夫か。

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高森駅へ戻り、帰りの列車を待つ。待合室には漫画家のサインがずらっと並んでいて、復興への想いとかが伝わってくる。もう8年も前で、そんなことがあったことを少し忘れてしまうような時間だけれど、確かな傷跡があったことを南阿蘇鉄道は教えてくれる。南阿蘇、いいところだったな。遠くない将来にまたここへくるんだろうな。

 

あとは帰るだけなのだけれど、帰るのがすごく大変。立野駅から豊肥本線で熊本へ出て、鹿児島本線をひたすら北上し、小倉へ。

熊本では乗り換えの30分で馬肉を食べた。美味しかった。

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博多ではこれまた乗り換えの20分ほどでラーメンを。何やってるんでしょうね。

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水巻というところで一旦降り、駅前にある水巻温泉で汗を流し、小倉駅のネカフェに着いたのは日付の変わる頃。流石に疲れた。

 

4日目(3/28)

分けるほどではなかったので軽く書いておきます。この日は別に帰るだけなので。

6時に起きて、小倉からひたすら東へと向かう。だいたい寝てたので特に書くことはない。

広島で途中下車し、マツダスタジアムへ。プロ野球開幕前日でもあり、せっかくなのでユニフォームを購入した。田村くん頑張って欲しいっすね。

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駅へ戻り、むさしのおむすびと揚げもみじを買う。いつもの、という感じだけれど、まあそれでいい。またひたすら東へと進み、尾道へ。

尾道ではおやつとやまねこに行って、尾道プリンを買った。並んでいてその人気を実感する。美味しかったですね。

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尾道に降り立った目的はこれだけだったので、また東へ。今度は倉敷で降り、とんかつの名店かっぱへ。夜の開店は17時で、16時40分ごろに着いたらすでにたくさん並んでいた。結局18時前に入ったのだけれど、中で料理を待っている頃にもう終わりの声が聞こえてきて、人気ぶりに怖くなる。美味しかったです。

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あとはなんとか帰り、終わりです。

 

今回の旅はのんびりしようという目的だったのに、結局慌ただしくなってしまって、それが反省点。でも別府と阿蘇はそれぞれ本当に良かった。また行きたいですね。今度は本当にのんびり、なんなら一週間滞在するくらいの勢いでいたいけれど、そんな余裕はあるのかな。