思い出の向こう側

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小説を読まなくなった話

もう長いこと小説を読んでいない。ような気がしただけでよく考えてみたら年1,2冊は読んでいた。しかし誤差の範囲だ。

 

昔はたくさん読んでいたのを思い出す。小学生の頃は一番読んでた時期で、5,6年生の頃は多い時で一日一冊ペースで最低でも週二冊くらいは読んでいた。記憶が盛られている気もするが。

あの頃よく読んでいたのは重松清だった。親が勧めてくれたんだっけ。他にも小学生らしくズッコケ三人組とか、怪盗ルパンとか図書室や図書館で借りて読んでいた。十津川警部シリーズとかも読んでいたな。あとは塾で国語の先生がいろいろ文庫本を貸してくれて読んでいたりした。

今でも覚えているのは三浦綾子の「塩狩峠」で、深夜に読んで1人涙したっけな。

あさのあつこの「バッテリー」も好きだった。小6のときもずっと読んでたら、担任の先生に『佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」の方が大人っぽいぞ』と言われてムッとなったのを覚えている。その後「一瞬の風になれ」も読んで好きになったので、なんか先生の作戦通りになった感もあるが。しかし今でも「バッテリー」の方が好きだ。てかバッテリー、だいぶ大人びてる内容だよな…今になって刺さってくる。子供の頃にはわからなかった面白さがまたある。何回でも繰り返し読んでいる。

 

中学生以降は読む量が少し減った。でも読むのはやめていなかった。東野圭吾とかが好きになった。森見登美彦とか万城目学が好きになったのは高校生の頃だったか。

 

そして大学生になってパタリと読まなくなった。ほんとに年一二冊レベル。読み出しても途中でやめてしまうことが多くなった。積ん読になっているのがたくさんあるし多分そのまま読まずに終わる気がする。

正直疲れてしまうのだ。現実で感情を動かされることが多くなって、本を読んでまで泣きたくない、辛くなりたくないという抵抗感が強くなった。あとは小説の中の新しい世界に踏み入れるだけの心の余裕と度胸がなくなった。何かを失う怖さを知って臆病になった気がしている。

昔に読んで好きだった小説だけは読めるんだけど。

 

その代わりにエッセイを読むのは昔より好きになった。あとは対談集とか。現実世界に生きている話だから安心する。

大人になってから小説を読めるのってすごいなぁと思ったりする。もう私は無理だなと思う。心が癒され、現実をしっかり生きられる強さを得られるようになったらまた読めるのかなぁ…。それまで積ん読になっている本たちは捨てずにとっておこう。その日が来るまで。