思い出の向こう側

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春を訪ねて①(松山・伊予大洲)

退去の立会いで京都に戻るために使った18きっぷが、4日分余っていた。どこかへ旅に出たかったが、行こうと思っていた東北は遠すぎて断念。福島まででも1日では到底着けないので、しみじみとした遠さがある。そこで少し近い、九州へ行くことにした。九州であれば比較的暖かく、桜ももしかしたら見られるかもしれない。日程は3/25~28の4日間。ただ、天気予報は酷いもので、27日以外はどこもかしこも雨の予報だった。普段であれば、それなら天気の良い時を待てばいいやと延期するのだけれど、そんな余裕もないので決行することにした。

 

1日目(3/25)

朝早めに家を出て、予讃線でひたすら西へ向かう。霧雨が降っていて、窓の外は白く霞んでいる。旅の始まりにはくるりの「ハイウェイ」を聴いて、天気と相まって何だかアンニュイな気持ちになった。

予讃線に乗っていると、海岸寺のあたりや箕浦のあたりでは海岸線を通り綺麗なのだけれど、この日は海までもが白く見え、空と一体化していて水平線の在処がわからなくなるくらいだった。これはこれで面白いのかもしれない。しかし車両の窓ガラスは汚れがひどく、車窓を楽しもうという気が失せる代物だった。JR四国さん、何とかなりませんかね。

 

ボックス席の向かいに座ったお婆さんと少し話をする。夫婦で18きっぷで旅をしていて、途中までは一緒のよう。どこそこに行くんだとか、こないだピースボートで世界一周したんだとか、そんな話を聞く。けれど面白みはないというか、何だか空っぽな気がしてしまい、そのうちに会話は途切れ、私はうとうとしていった。

伊予西条で乗り換え、松山には昼過ぎに到着した。別に松山を観光する気はないが、温泉には入りたかったのでとりあえず道後温泉に行く。本館は人数制限をしていて、1時間待ちとのこと。本館は何回も入っているし、別にこだわりもないのでそれならばと近くの飛鳥の湯に入る。気持ちのいい湯だった。

 

出るともう14時ごろだった。昼ごはんをまだ食べていなかったので、大街道へと向かいぶらぶらと探すことにした。別に松山名物を食べたい気持ちはなく、「とんとん」というトンカツ屋に入ったが、これは美味しかった。

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松山駅からまた西へ向かう。下灘などにも行けたけれど、雨の中訪れたいとも思えなかったので、内子線経由で伊予大洲へと向かう。大洲は昔ここを通過した時に、綺麗な街と川に惹かれ、いつか降り立ってみたいと思った場所だった。晴れの日に来たかったなと思いつつ、時間が有り余っていたので降りることに。17時ごろに着き、駅から歩いてとりあえず大洲城へと向かう。雨は一旦止んでいて(あるいは傘をささなくてもいいくらいの小雨)少し気分は楽だ。大洲城は17時で終わったらしいので、城には行かず城下街を歩いた。どこかの喫茶店で少しのんびりしようと思っていたが、どこもかしこも月曜定休だったり、終わっていたりで冴えない。空いてそうだと地図が言う喫茶店はどこからどう見ても閉まっていた。商店街には教科書販売を委託されている書店があり、中では新学期の準備に追われていた。春だな、と思う。この日見た他の何よりも春だった。

歩いていると、ネットでちょくちょく見かけるショッパーズに出会った。

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「ンョ" ハー "」の看板があるのは長浜店であり、ここ大洲三の丸店ではないが、それはともかくとして嬉しくなった。嬉しさから飲み物を買うと、レシートにはあのマークと「ありがとう」の文字。外に出ると土砂降りになっていて呆然とし、歩くのは諦め、バスで駅へと帰る。

19時ごろの列車で八幡浜へ向かう。八幡浜からは20分ほど歩き、八幡浜港へ。ここからフェリーに乗り、一路別府へと向かった。船は空いていて、2等客室の一角を1人で使えて快適だったが、こんなに空いていて大丈夫か、とも思う。

 

別府に着いたのは23:20。外は小雨が降っており、30分ほど歩いてカプセルホテルへ。大浴場も別府とあって温泉で、これは気持ち良かった。が、近くのカプセルからひどいイビキが断続的に流れ、なかなか眠れないまま1日目が終わった。

 

長くなりそうなので記事を分けます。