思い出の向こう側

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出会い

最近、片平里菜さんの曲を聴き始めた。

 

なんで聴こうと思ったんだったっけ。

新曲が出るというのをApple Musicで見て、名前だけは知っていたから聴いてみようと思ったんだったかな。こういう時に気軽に聴けるのはApple Musicのいいところですね。

 

一番有名な曲をまず聴いてみようと思った。Apple Musicで一番上にあったのが、『女の子は泣かない』だった。

曲名に見覚えがあった。聴いてみて、いいな、と思った。メロディーが耳に残る。どこかYUIさんっぽい歌声。

こういう歌声は昔はそこまで好きではなかったんだけど、最近は好き。そういう意味では出会うタイミングは今だったんだな、と感じている。いいタイミング。

 

流れでこの曲が収録されているアルバム『amazing sky』を聴いてみた。良い。このあたりで片平里菜さんが好きな歌手になった。

 

特に『始まりに』という曲が刺さった。歌声とメロディーと歌い方が好きだった。こういう曲好きなんだよな、というのが詰め込まれている感じ。サビのリズム感がとても好き。


 

調べてみたら、この曲はスクールオブロックの中で行われていた「片平里菜 楽曲制作プロジェクト」で作り上げたものらしい。その過程を私は知らないけれど、きっと何か伝わってくるものがあったのだろう。番組を取り巻く空気感、10代の若者の葛藤や煌めき、未来に広がる無限の可能性、不安定さ、エネルギー。

そういった熱が込められて作られた曲だからこの曲に惹かれたんじゃないか、そんなことを思った。

 

そしてここ数日、他のアルバムも聴き始めた。

その中でも『一年中』に収録されている『オレンジ』という曲がとても好きだ。

 

この曲は歌詞がとてもいい。”ありがとう”を繰り返すのが印象的。

特に好きなのは、

「悲しい出来事はなにひとつ なければよかったけれど 今こうやって笑い合えること 出会えてよかったよ また必ずいつか別れは来るから その日のために今日は涙はとっておいてよ」

というフレーズ。

片平里菜さんは福島出身で、”この曲ができたきっかけは震災の影響もあって福島や宮城、熊本を訪れたことですね。”と語っている。そこで出会えた人から貰った言葉が曲の軸になっているそう。

 

悲しい出来事は悲しいけれど、その出来事があったから生まれた出会いもある。

この出会いのために悲しい出来事があった、出会うために必要な痛みだったんだとその出来事を肯定するわけじゃない。悲しい事はやっぱりない方がいいんだ。だけど出会えてよかった。

 

そんなどこか複雑な思いを綺麗な言葉で綴っていて、とても好きだ。

 

”涙の数だけ強くなれるよ”

そんな言葉で悲しみを前向きに捉える曲は今まで多かったけれど、

”悲しい出来事はなにひとつ なければよかったけれど”と言ってくれる歌はなかなかなかったから新鮮だった。

 

そしてまたいつか別れが来るからこそ、今こうして出会えている幸せを噛み締めよう。そのやさしい眼差しで歌う歌声が心に染みてくる。

 

この曲をいつか弾き語りで歌えるようになりたいな。いつか、きっと。