思い出の向こう側

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映画「サマーフィルムにのって」

とても久しぶりに映画を観ました。

とはいっても、観たのは9/1なのでもう二ヶ月近く前のこと。書いておこうと思っていたのに、ズルズルと延ばしてきてしまった。

 

 

「サマーフィルムにのって」。

2021年8月6日に公開された、高校生が時代劇の映画を作るという、青春ものの映画である。ただ普通の青春映画とは少し違うというか、「恋×友情×時代劇×SF×青春」が詰め込まれている。詳しいことは以下の公式サイトや予告編を見てください(というかどっちにしろ受け売りしかできないし)。

 

以下公式サイトより引用したあらすじです。手抜きとか言わない。

 

勝新を敬愛する高校3年生のハダシ。
キラキラ恋愛映画ばかりの映画部では、撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。
そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎。
すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、
「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。
青春全てをかけた映画作りの中で、ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、
彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。 ”

 


 

 


で、観ての感想。以下多少なりともネタバレを含むと思います。まあ細かい部分なんてのはもう忘れてるので曖昧な感想にしかならないし、そんなにネタバレになるようなこと書く気もないけど。

 

とても最高の青春映画だった。とても好きな時間だった。そもそも私は青春ものが結構好き(キラキラ恋愛系は除く)なのだけれど、ドストライクに近かった。こういう青春を送りたかったなという思いと、こういう青春を私も確かに過ごしてきた気がするなという懐かしさとを感じていた。甘酸っぱくて、若くて、真っ直ぐで。みな愛おしい。とても綺麗な青春。

だけど、未来から来た凛太郎という存在によって、この映画の主軸はそこではないところへ向かうというか……。過去と未来をつなぐ場所、それが今、という物語に私は弱い。胸に残るのは青春の甘酸っぱさと、青春とはまた別の”切なさ”。ただそれは結局同じものなのかもしれない。

そして未来のためにも、今を頑張ることの尊さと覚悟。たとえ未来が明るく見えなくなってしまったとしても、その未来を変えていこうとする若い力がとても眩しかった。

 

いや、やっぱり感想をダラダラと書くのは野暮だな。観ればわかる、ということに尽きるのかもしれない。

 

なので、もうこれだけにします。

ラストシーンがあまりにも最高。美しい。これ以上のラストを私は知らないかもしれない。このラストのためにこの映画はあったと言ってもいい。というかマジでこのラストを撮りたくてこの映画を撮ったんじゃないかと思っている。それくらいによかった。

 

ぜひ観てください。

 

この映画を観たのは、私が好きなアイドル乃木坂46の、元メンバーである伊藤万理華(愛称:まりっか)が主演だったからである。それ以外にも、観た人の評判がえらく良かったとか、映画祭とかで評価されまくってるとか、そういったことも後押しになったけれど、知ったきっかけも観た理由も、結局のところは主演の人がこの人だったからである。この人の演技が好きだから、とかじゃなくて、応援していた人だから、くらいの感じ。つまり元アイドルである”まりっか”が出ていたから観たのである。

 

だけど、この映画を観ている間、その主演が”まりっか”であることは何も意識していなかった。ただスクリーンにいた”ハダシ”を観ていた。そこにいたのは”まりっか”ではなく”ハダシ”だった。

そういう意味では、あの主演は私にとって”まりっか”でなくても別によかった。けれども、”ハダシ”を演じるのは”伊藤万理華”でなくてはならなかった。

それは他のキャストにも言えて、例えば”凛太郎”を演じた金子大地も、”ビート板”を演じた河合優実も、私は全く知らなかった人たちで、今もなお知らない人たちではあるけれど、スクリーンにいるのは彼らでなければならなかった。

それは映画の中で表現されていた、『あなたでなければ撮りません』『ハダシ監督じゃなきゃダメなんです』という言葉に尽きる。

 

あなたでなければ。