思い出の向こう側

好きなものや思い出について書いたりしています

想い出はモノクローム

昨日が終わって今日が来て。

また日常の中へと溶け込んでいく。

もう、昨日の記憶が薄くなっていく。あんなに鮮やかだったはずの風景や匂いや音、そして冷たさまでもが、少しずつ思い出せなくなっていく。あれほどまでの大きな感情の動きが、今は嘘のように静かだ。静かだけど、ずっと重たい。重さは増しているかもしれない。何をしていても重たい。

気晴らしになるかもと思って仕事に行ったけど、全然ならなかった。そういうもんなんだな、と分かった。碌に集中できないし、ずっと心は重たいままだし。ミスもするし。

こういう時に忘れて打ち込める性格なら多分それでよかったんだろうけど、私はそういう人間ではなかった。それがわかっただけよかった。

 

次第に心がコーティングされていくような感覚がある。

昨日、剥き出しのままだった心。いや、昨日までの日々もコーティングされていたね。あの瞬間に心は剥き出しになった。それが今、また少しずつ戻っていく。麻痺。抑圧されていく心。それはそうだ。剥き出しのままでは生きていけない。だけど、それでいいのかなと思ってしまう。向き合わなくていいの?蓋をしてしまっていいの?そんな人間で、いいの?

なんだか心を誤魔化しているようで、見ないふりをしているようで、そんな自分が嫌になってしまう。嫌になるからこうやってかさぶたを剥がしていく。結局治るのが遅くなることはわかっていても。でも本当に痛いところまでは剥がせない。怖いから。だから今もこんな中途半端な文章を書いている。その辺も自分らしさだけどね。

つらいものはつらいな。

 

最近はずっと自分のためだけに書いているので、自分だけがわかればいいと思って書いている。もし読んでくれている人がいるなら、その人を少し心配させてしまう文章になっているのかもなとも思う。そんなに心配しなくても大丈夫です。きっと。人間はそういうものなのだから。