子供の頃聴いていた時には良さがわからなかった曲が、今とても好きな曲として現れることがある。
歌手単位で、というのは結構ある。aikoとかもそうだったし。
だけど当時から好きな歌手なのに、その中で好みが変化する(ストライクゾーンが広くなる)というのはあまり多くはない。ライブで聴いて印象が変わった、とかもあるけどアレンジが違ったりもするのでそれはちょっと違う。同じアレンジの同じ音源を聴いても聴こえ方が変わるってやつです。
例えば、JUDY AND MARYの「KYOTO」。
ジュディマリは高校生くらいの頃にちょろっと聴いていた。当時のお気に入りは「Over Drive」「小さな頃から」「散歩道」あたり。もちろんこれらは今でも好き。
「KYOTO」は全然刺さっていなかった。なんか辛気臭いな、という感じだった気がする。なんでこの曲が結構人気な曲なのか、不思議に思っていた。
でも今はこの曲も好き。何がいいのかはよくわかっていないけれど、少なくとも人気なのはなんとなくわかる。別に京都に住んでいるからというわけでもない。京都っぽい描写は「鴨川越えて急ごう」くらいだし。でもいいですね。
これが大人になるというやつなのだろうか。
こんな感じに年を重ねてようやくわかるような曲というのはたくさんあったはずだけれど、その好きになった瞬間に記録しておかないと忘れてしまう。というかたくさんの好きな曲の中で埋もれて、前から好きだったかのような顔をしてくる。
なのでもう思い出せない。岡村孝子「電車」、中島みゆき「もう桟橋に灯りは点らない」「ホームにて」とかくらいか。これらも前から好きだったような、あるいは出会っていなかっただけのような気がしてくる。もうわからないね。
まだ良さがわからないのは、例えばはっぴいえんどの「風をあつめて」とか。くるりとかもそう。多分良いものだろうとは思っているけれど、じゃあわかるかと聞かれるとまだ頷けない。良さがわからないのが少し悔しい。好みに合わないとかじゃ多分なくて、わかるレベルに私が達していないんだろうなぁと思ってしまう。
そのうちわかるようになるんだろうか。
(2022/10/28追記):
この記事から約半年。くるりの「ばらの花」がめちゃくちゃ好きになっている。他の曲はまだわからないけれど、なんだか嬉しい。