思い出の向こう側

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おまじない

眠れない夜のおまじないが欲しい。

 

また眠れない夜が続いている。定期的にこういう日々はやって来て、もう慣れてきたけれど、慣れたところで眠れないのには変わりがない。

ただ夜が明けるのを待つ。休日ならそれでもいいけど、平日には仕事があるからいい加減早く眠りたい。どうやったら寝れるんだろうってずっと悩んでいる。悩むから苦しくて余計眠れない。

 

深呼吸とか、体のリラックスとか、世の中には色々な眠る方法があって、それらを試してもなかなかこれだというものには巡り合わない。効くようで効かないというか、心の底から信じられないというか。

実際のところ私は多分眠りたくなくて、けれど社会的な要請によって眠らなくてはいけないから眠る。だから信じたくないというか、無意識では効いてくれちゃ困ると思っているのかもしれない。

今私が欲しているのは、ただ無条件に信じられるもの。科学的根拠とか、心理学的にどうとかはどうでもよくて、ただ私が信じていられるもの。そういう術が欲しい。

 

それは多分おまじないのようなものだ。きっと子供の頃に教えられていたなら無条件に信じることができて、大人になって科学的根拠がないことを知ったとしても、なぜか効くような気がするような、そんなおまじないが欲しい。実際にはもう私は大人で、今更新しいおまじないを見つけても、無条件に信じることはできないような気がするけど。

子供の頃の自分に戻って、なんなら赤ちゃんの頃に戻って、お母さんに抱かれながら聞かされていた子守唄のようなおまじないを持って帰りたい。無理だろうなぁ。

 

今の私はどんなおまじないだったら信じられるだろうか。

「あなたは大丈夫」と3回唱えたらきっと眠れる、とかで眠れたら苦労はしないね。でもやってみる。なんとなく、不安が不眠につながっているような気がするから。せっかくだから何か行動もつけておこう。胸に右手を当てて深呼吸しながら唱えよう。

大丈夫。私はきっと今までもこれからも大丈夫で、何も心配しなくてもいい。どんな人生になるかはわからないけど、どんな人生だって私は私でいられるから。

大丈夫。きっと私はどこへでも行けて、空だって飛べるから。飛べるよ。

大丈夫。

 

(追記):

現実の私は少し理性的で、このおまじないも、それによって(偶然でも)眠くなる経験を重ねて学習してしまえばちゃんと眠る効果を持つようになる、と計算してしまっている。だから少し醒めていて、きっとそんな簡単には効かないだろう。それもわかっている。

いったん、そんな醒めた自分を捨てたいね。頭を空っぽにして信じてみたい。それができたらきっと人生はもっと楽になる。